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ウサギフクロウ「ぽち」の飼育日記です。
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前々から「ぽっちゃんが生後半年になったら血液検査を受けよう」と思っていました。
餌のことは私なりにいろいろ考えてるつもりだけど、
 これでOKと言える自信がないので、血液検査の結果しだいで考え直そうかな、と。
毎日元気いっぱい、すくすく育ってくれてるぽっちゃんを連れ、
のんきに受けた血液検査は
十年以上お世話になってきたかかりつけ医院との決別という思いもしない展開になりました。


いつもどおり院長先生指名で診ていただいたのですが、採血のため、保定するのに一苦労。
他の先生や看護師さんと3人がかりで、ばったばったと大騒ぎ。
ぽっちゃんは全身をタオルでくるまれ、ちゃんと呼吸できてるのかどうかも不安な状態。
見ていて怖くて、なんとか呼吸を確保しようと手を出そうとして怒られることたびたび。

待つこと15分ほどで結果がでました。
院長先生はわんこの手術に入られたとのことで、説明は別の女医さんがしてくださることに。
結果はとても深刻なものでした。
「いくつかの数値が異常に高く、いつ倒れてもおかしくない状態。
毎日の食餌によるものではなく、何かしらの急性中毒が疑われる。
治すには毎日点滴をするしかないが、点滴を続けて治る保障はない」
まさに青天の霹靂で、ただただショックでした・・・。

前日の夜、部屋で遊ばせてたときにうたた寝してしまってたので、
「その間に何か飲み込んじゃったのかも」と血の気が引いてゆくのを感じながら、
でも、昨日の夜も今朝も特に変わった様子はなかったよね・・・?

何が何だかわからない中、「とりあえず今日点滴して帰りますか?」と訊かれ、
「ぽっちゃんがすこしでもよくなるなら」とお願いしました。
そこからまた保定するのに3人がかりでばったばったと大騒ぎ。
ぽっちゃんはまた全身をタオルでくるまれ、
私はまた呼吸を確保しようと手を出そうとして怒られることたびたび。
左右の下腹部に2回に分けて点滴を受け、診察は終了しました。

お会計を待ってる間、
キャリーの中で凹んでるぽっちゃんを慰めようとなでなでしてたら、
おなかからぽたぽたと点滴が漏れてる・・・。
でも、またあの保定をされたら、今度こそ死んでしまいそうで怖くて、
何も言わずにお会計を済ませて帰りました。

帰宅する車の中、ぽっちゃんはキャリーの中で「ここから出る~!」と大暴れ。
だんなさまと二人、「これっていつ倒れてもおかしくない状態じゃないよねぇ」と
ケラケラ笑ってしまいました。
 帰ってからすこしの間、ぽっちゃんはその日のイヤな出来事に凹んでましたが、
さすがフクロウ!
しばらくしたら、そんなこんなも忘れて活動開始。
「いつ倒れてもおかしくないんだったら、短い鳥生好きに生きたらいいよ」と
冗談言って家中を開け放ったら、
大喜びであっちこっち飛び回り、狩りの練習をし、
キャッキャッと嬉しそうにだんなさまとネズミのぬいぐるみを奪い合ってる。
・・・やっぱりどう見たって「いつ倒れてもおかしくない」状態じゃないよねぇ・・・。
元気ハツラツゥ♪そのものじゃん。
たしかに私は猛禽一年生で猛禽のことはよくわかってないけど、
そこまで状態が悪いかどうかの見極めがつかないほど鳥さんを知らないわけじゃない。
明らかに誤診だと思いました。

病院でいただいた検査結果の用紙を見ながらずっと気になってたのが、
各項目の標準値とされていた数値がヨウムのものだったこと。
肉食のフクロウと雑穀食のヨウムに同じ数値を当てはめていいものなの・・・?
いやいや、野生動物救護獣医師協会の理事もされてる先生だよ。
鳥さんの診察待ちしてるときに
ケガをした猛禽さんが運び込まれてくるのだって何度も見てるじゃん。
まさかね、まさかねぇ・・・。

結果から言うと、そのまさかでした・・・。
翌日、かねてからお世話になってる猛禽のプロのかたからご紹介いただいた病院で、
ぽっちゃんは「何の問題もない」と診断されました。
前日の病院で「数値が異常に高い」と言われた項目はすべて
「猛禽であること」「生後半年の成長期であること」
「採血という外傷に似た行為による一時的な数値の上昇」で説明がつき、
中には「犬猫だったら意味があるけど、鳥類に行なっても意味がない」と
言われた検査項目もありました。
 前日の病院の診断結果よりこちらを信じたのは
私たちが「こうあってほしい」と願ったものだったからではなく、
客観的にぽっちゃんを観察して予想していた結果だったからでした。
何よりも、この病院の先生の保定がすばらしかった!
華奢な女医さんなのに手際よくぽっちゃんを保定し、
他に手が必要なときは私にわかりやすいように指示をくださって、
一人でちゃちゃっと診察を済ませ、前日の病院での大騒ぎとは大違いで、
猛禽を扱い慣れてらっしゃるのがすぐにわかりました。
高速で行かないと行けない距離だけど、
ぽっちゃんのかかりつけ医院はここに変えようと決めました。


その顛末はずっとかかりつけにしてきた病院には言わず、
小鳥だけはこれまでどおり診ていただくつもりだったのですが、
ひょんなことからすぐに言わざるをえない状況になってしまいました。

検査結果を説明してくださった女医さんに別の病院での見解を伝えると、
「病院によって基準値が違うから~」とおっしゃるので、頭にきて、
「そういう問題じゃないでしょう。猛禽の標準値をご存知なかったんじゃないですか?」。
「私は院長先生から言われたことをそのまま伝えただけなので・・・、院長先生呼んできます」と。
院長先生がいらっしゃって文献のコピーを示され、いろいろ説明されましたが、
どれひとつとして納得できるものはありませんでした。
↓はたくさんあったやりとりの中の一部ですが・・・。

院「(文献を見ながら)尿酸値は食後12時間たたないと正常値が出ないらしいから、
数値が高かったのはそのせいかも。12時間以上絶食してもう一度検査受けませんか?」
私「帰宅してからネットで調べて食後は尿酸値が上がるというのを知りましたが、
 結果の説明時にそのことは一切おっしゃいませんでしたし、
当日は朝ごはん抜きで診察を受けましたので、前回の食餌から12時間以上たっています。
そもそも診察時、前回の食餌時間についてはまったく訊かれませんでした」
院「本当は血液検査は24時間絶食させてから採血するのがいいらしいけど、
それだと命の危険がねぇ~」
私「あのあと行った別の病院では『猛禽の血液検査をする場合は
24時間絶食させてから連れて来てください』と言われました」

院「いや、普通だったらそれでも大丈夫なんだけど、
腎不全の場合、餌を食べないと水分が摂れないでしょ。だから~」
私「うちの子、水飲みますので大丈夫です」
院「え?水飲むの?!」
私「はい、水入れから普通に飲みます」
院「・・・」
 
と最後のほうはもう脱力しそうなやりとりで、
十年以上お世話になってきた病院がこんなだっただなんて悲しくなってしまいました・・・。
これにて小鳥のほうも病院を変えることに決定!
ブリーダーさん仲間から近くによい病院があると聞いたことがあったので、
詳しく教えてもらって、今度何かあったらそこに行ってみようと思っています。


そんなこんなで怒涛の生後半年健診でしたが、
今、私の肩に乗っかってじゃれついてくるぽっちゃんのふわふわしたぬくもりを感じながら、
「何事もなく済んで本当によかった」とほっとしています。
あのまま最初の診断を信じてあの保定と点滴を受け続けていたら、
ぽっちゃんは何日目かで確実に死んでしまっていただろうと思います。

病院選びは大切。
そして、猛禽を飼うんだったら、
親身になって相談にのってくれる猛禽飼育のプロのかたは絶対に必要!
つくづくそう感じた出来事でした。

最後に、私が十年以上お世話になってきた病院の関係者さまが
もしこの記事を目にされることがあれば・・・。
これまでお世話になったことには本当に感謝しています。
今回一生懸命してくださったこともちゃんと理解しています。
ですが、今回のことはせっかく健康に育っている命を奪いかねない、恐ろしいことでした。
フクロウを診るのはとても難しいかと思いますが、どうか飼い主さんの話もちゃんと聞いて、
いろんな可能性を考えたうえで診断してください。
 よろしくお願いします。
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無題
腹立たしい限りです。猛禽を診れないなら診れないって言って欲しいですよね。文章読んでるだけでドキドキしちゃいました、処置はもちろんのこと、羽を折らないかとか、ストレスとか。もう、へんな点滴なんかしないでっ!って私も言いたいです。

車での移動もストレスだといいますが、少し遠くても、間違った処置をされて命を落とすよりは断然いいとおもいます。

なにより、ぽっちゃん、無事でよかったです!

あと、検診時で発覚したこともよかったかもしれませんね。重症なのにバタバタやられたらたまったもんじゃないですもんね。

何事もなかったことと、検診の結果が良好だったこと、よかったです(*^^*)


おうるくろー URL 2014/05/24(Sat)01:47:51 編集
おうるくろーさん
ぽっちゃんの元気ハツラツっぷりに楽観はしてたんですけど、「万一ってこともあるかも」と半日の間はやっぱり不安でした。龍空ちゃんのときは力強いこと言っておきながら、いざぽっちゃんのこととなると弱いですね~
「難しいな」と思ったのは先生が「猛禽にヨウムの標準値を当てはめて問題ない」と信じてらっしゃることなんです。だから、どれだけ他院で教えていただいた猛禽の標準値をお伝えしても聞く耳を持ってくださらない(関西の鳥さん医療では権威のような先生なので、他院の若い先生の見解なんて話にならないのでしょう)。いちばん問題とされた尿酸値については文献のコピーを渡されて「ここにこう書いてあるから」と言われましたが、それもちゃんと読むと例外についての記載があるので、それを理由に診断されたんだったらそれはそれで問題なんですよねぇ・・・。
おうるくろーさんがおっしゃってくださってるとおり、健診で病院の見極めができたのは不幸中の幸いだったと思います。これが一大事のときだったらと思うとぞっとします。
2日続けての通院後、ぽっちゃんはやけに甘えてくるようになりました。「頼りない飼い主のせいであんな大変な思いをしたのに」と申し訳なくて涙が出てきます。今まで以上に大切にしてゆこうと思います。
【2014/05/24 20:37】
無題
怖いですよねー、そんな医者がいること自体…
誤診されてもなかなか見極めができませんもん、
ほんと、今回はなにもなくて良かったです。ぽっちゃんはちょっと嫌な思いしちゃったと思いますが
でも、元気な時に行ったからよかったですよ、ほんとに具合がわるい時にいってたら…
今回その病院の事を気づかせてくれたぽっちゃんに感謝ですね。
ash 2014/05/24(Sat)08:13:20 編集
ashさん
実は、お世話になってる猛禽のプロのかたから「その病院は猛禽診れないよ」って言われたことがあったんです。でも、それは「込み入ったことになれば」ってことだと勝手に解釈して、血液検査くらいなら問題ないだろうと思ってました。まさかまさかです。
十年以上ずっと信頼し続けてこれたわけじゃなく、納得がいかなくて、他の病院を転々とした時期もありました。これといってよい病院に出会えないまま、しかたなく戻ってきたら、気持ちに寄り添った治療をしてくださる先生がいらっしゃって、それからずっとその先生指名で診ていただいてたんです。その先生が一年前に地元に戻って独立開業されたので、「気難しくても頭ごなしでも鳥さんさえちゃんと診てくれたら」とまた院長先生に診ていただくようになったのですが・・・、ここまで自信を持って誤診されちゃうともうダメですね・・・。
ぽっちゃんに大事がなくて本当によかったです。
血液検査に行ったとき、順番表に記入してふと前日ぶんを見たら、前日最後の患者さんはカラフトフクロウさんでした。どうかその子がちゃんとした診察を受けられる病院にたどりつけますようにと祈るばかりです。
【2014/05/25 03:09】
良かったです(^-^)
体重の記録を見ていますが、少し減りすぎましたね。
今日は良く食べましたか?
良い病院の保定は院長のやり方を見て負けたと思いました。(^_^;)
大中小保定して来ましたが、あの保定は勉強になりました。
あの病院(良い方)はまた進化してますね。海外の情報も集められたのでしょう。私とか関係者がフクロウを沢山連れていったので(笑)
人の薬学のプロでもあるので、安心できます。
動物専用のお薬はほとんど無いですから。
獣医さんは友人にもいますが、猛禽を知らないとか言えないのです。収入も少なく、言葉を話せない生き物を扱うので、人で言う小児科の様な感じです。
小児科を選ぶ医師が少ないのも、同じです。
だから、知らないことを知らないと言う信頼できる獣医さんが信頼できます。
その様な獣医さんは、必ず勉強されて良い医療を行うようになります。
良い病院のお二人の獣医さんは私が知っているレベルよりかなり高くなったのをこの記事で分かりました。
流石です。
何よりニコニコ笑いながら、動物と向き合っていますから。
ウズラの肉を看護士さんとミキサーで潰したり、ハサミで細かく切ったり、「これなら食べてくれるかなぁ?」って、我が子のためにしてくれていた姿を、涙ながらに見てました。
そのときの子は今は元気すぎて(笑)
無菌状態が必要な場合意外は目の前で、治療もしてくれます。
しかも、飼い主さんの心のケアまで。
早めに紹介できて良かったです(^-^)
でも、今回の事は、飼い主である、ママとパパがおかしいと気がついた事が最大の功績です。
凄いですね、飼い主の観察が最大の健康診断です。
同じ種でも、それぞれ違いますから。
なるべく、病院には行かないように(笑)
長文、失礼しました(^-^)
名無しで(^_^;)宜しく 2014/05/24(Sat)21:25:02 編集
水戸のご老公さま(笑)
このたびは本当にお世話になりました。どんなに心強かったことか・・・。
そうなんです、三日続けて一日一食になっちゃいましたので、体重がかなり落ちてしまいました。でも、今日は二食合計54g食べてくれたので、じきに戻ってくれるかな・・・。
今回のことではいろいろお勉強させていただきました。フクロウを診る難しさというのを垣間見たようにも思います。
記事にするかどうかについてはずいぶん考えたのですが、過去記事でおすすめの病院として書いてしまってますので、あれを放置してよそのおうちのフクロウさんが亡くなるようなことがあったら申し訳ないと・・・。
ぽっちゃん、元気いっぱいなんですけど、まだ連日通院の疲れが残ってるようですので、回復しましたらお礼を言いにお伺いさせていただきますね~(*´▽`*)
(おかげさまで経過は順調なように思います)
【2014/05/25 03:12】
無題
いま記事を拝見してビックリしています!

飼い主さんの日々の観察が大切なんですね~
ミーさんが最初の医師の言いなりになっていたら大変なことになっていたかもしれません!

セカンドオピニオンじゃないけれど
疑わしきときは別の病院へ迷わず行くことですね。

まだまだ猛禽を飼うことが確立されていないので
ブログを通して沢山の情報がとても勉強になります。

水についても、猛禽は水を飲ませてはいけないと購入先から言われて
ずっと飲ませていないと仰ってる方もいます。

・・・

とにかくぽっちゃんが無事でなによりです!!
健康優良児で良かったですね(*^▽^*)
びぃちゃん URL 2014/05/26(Mon)12:19:11 編集
Re:無題
私はけっして観察力があるほうじゃないんですけど、猛禽さんは飼い主さんが手ずから餌を食べさせることが多いぶん、小鳥よりも体調の変化に気づきやすいように思います。
獣医さんだって人間だから不案内な分野もあるでしょうし、間違うこともあるでしょう。納得のゆかないときは別の病院でも診てもらったほうがいいですよね。
今、私がたいした苦労もなくぽっちゃんと暮らせてるのはたくさんのフクロウ飼いさんが道を切り拓いてくださったおかげだと思っています。まだわからないことの多い生き物なだけに、みんなで情報を交換しあって、フクロウのことをもっと理解できたらいいですね。
ところで、今回のことでびぃちゃんさんにお伺いしたいことがいろいろあるんです~。後日メールさせていただきますので、その折にはどうぞよろしくお願いいたします。

【2014/05/27 19:18】
無題
びっくりしました。
記事の最初の保定の部分を読んだだけで、不安が押し寄せてきてました。
私でさえそんななので、ミーさんのその時のお気持ちを思うと胸が痛くなります。

ぽっちゃん、無事でよかったです!
そして、別の信頼できる病院が見つかって本当によかった。
村上家2号 URL 2014/05/26(Mon)21:29:19 編集
村上家2号さん
先生も看護士さんも一生懸命やってくださったのにこんなことを言うのは心苦しいのですが、あの保定は見てて本当に恐ろしく、診断が正しかったとしても治療は別の病院で受けようと思っていました。
保定が上手だと猛禽さんのストレスも最小限で済みますね。
最初の病院では恐怖のあまり吠えまくってたぽっちゃんが、あとの病院では「やめろよ、やめろよ~」とキャウキャウ言う程度だったんですよ~。
本当に無事に済んでよかったです!(*´▽`*)
【2014/05/27 19:35】
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